経営シミュレーションゲームで学ぶ財務会計紙飛行機を作って飛ばして決算書を作ろう/1日(6.5時間)
こんな課題に対する研修です
ゲーム形式の研修で最も重要なことは、どれだけ現実の企業と同じような体験ができるかです。
この研修は、実際に手を動かして製品(紙飛行機)を作り、他社と競争して製品を販売し、決算書を作成して利益を確定するという一連の企業活動を体験的に学ぶものです。電卓を叩きながら実際の決算書と同じ形式の決算書(P/L、B/S、キャッシュフロー計算書)を作ります。また、受講者は普段自分が担当している業務とは異なる役割を担います。たとえば営業担当者が製品開発を行い、開発担当者が営業活動を行います。同じ会社内でも違う部署の業務をきちんと理解し、異なる視点や考え方を受け入れることで真のチームワークを理解することができます。さらに研修中は体を動かす場面も多く、退屈することはありません。
対象者
若手〜管理職、経営者
研修の期待される効果
・取引先企業の業績を知っておきたいが財務諸表を見てもよく理解できない。
・見積書を作るとき、粗利や営業利益を具体的にどのように算出するのか分かっていない。
・自部署の工数管理、原価管理を行っているが、会計の用語が十分理解できていないため不安だ。
・エンジニアとして技術のことだけを考えていたが、管理職になって予算編成に関わることになり困っている。
・異なる部署との会議でどうしても相手の考えが理解できず、意見が対立することがある。
・取引先の財務諸表を読んで経営状態が把握できるようになる。
・利益や費用の考え方が十分に理解でき、適切な見積ができるようになる。
・原価計算の意味が理解でき、無理のないコスト削減ができるようになる。
・会計用語が理解でき、管理職として予算のコントロールができるようになる。
・異なる部署の考え方や視点が理解できるようになり、無暗に対立することが無くなる。
研修プログラム例
決算書(財務3表)とは何か?一体何の役に立っているのか?その実体を解き明かします。売上高、原価、コスト、利益といった仕事で使う「唯一の共通語」である会計用語を使って、会社が利益を生み出すまでのプロセスを理解します。
<内容>
・決算書を読み、ざっくりと仕組みを把握する
・損益計算書を読み、電卓を使って利益額などの数値を計算してみる
・貸借対照表を読み、資産と負債、純資産の具体的な内訳を知る
・自社の決算書または競合他社、取引先の実際の決算書を読む
・EDINETや企業のIRのページから有価証券報告書の入手方法を知る
2. 経営シミュレーション(1)
4~5人で1グループを作り「会社」を設立します。普段の業務とは異なる役割を分担し、「社長」を決めます。銀行(講師)から資金を借入れます。こうした一連の流れを1つ1つ理解していくことで会社の仕組みが理解できるようになります。
<内容>
・社長と各業務分担の決定
・顧客が購入してくれる製品とはどのようなものかを考える。
・必要となる資金を借り入れる
・設備投資を行う
・顧客の要求する品質、価格、納期を確認する
3. 経営シミュレーション(2)
顧客(講師)のニーズを聞き出し、それに適合する製品を開発します。研究開発(試作)を行い、要求品質を満たす試作品が完成したら量産に入ります。材料を仕入れ、加工し、必要な台数を製造します。この過程で原価の3要素(労務費、材料費、経費)とは何か、設備投資と減価償却費はどのように決まるかなどが、製品(紙飛行機)を作りながら理解できます。
<内容>
・研究開発を行う(研究開発の意味、企業内での会計処理を学ぶ)
・試作機を作って飛ばす。よく飛ぶ製品を作るために試行錯誤を行う
・製品の量産を行う(Q・品質、C・コスト、D・納期とは何かを学ぶ)
・完成品を納品する
4. 経営シミュレーション(3)
製品が納入出来たら受入検査を行います。収められた複数台の製品から1つを抜き取り、実地飛行検査を行います。ここでは品質(性能)とコストの関係を理解します。大きな飛行機は安定して飛びますが、材料費が嵩んで利益が少なくなります。小さくてよく飛ぶ飛行機(品質が良くコストが安い)は研究開発の成果次第であり企業における研究開発の位置づけが分かります。
<内容>
・グループの中から1名が検査飛行を行う
・検査では顧客が要求する飛行距離(5m)をクリアするかどうかで合否が決まる
・合格した場合、顧客はただちに全機を購入する
・失敗した場合は再検査料を払って再度チャレンジする
5. 決算
経営シミュレーション(2)、(3)および決算を、2期(時間があれば3期)行います。
製品が売れたら決算書の作成に入ります。グループメンバー全員で電卓を使って計算します。この過程で数字が合わない(貸借対照表がバランスしない)ことがほぼ起こります。なぜ合わないかを全員で調べる過程で財務3表のつながりが確実に理解できます。
<内容>
・実地棚卸を行う・
キャッシュフロー計算書(直接法)を記入する
・損益計算書を作る
・貸借対照表を作る
・貸借が一致(バランス)すれば決算は終了
・各グループによる利益額の発表、順位付けを行う
▼研修のウリ!
・実施後、実際の財務諸表が理解できるようになります。
・顧客、取引先、競合他社の財政状態や利益を生み出す仕組みがわかります。
・社内の他部署の考え方や視点が理解でき、円滑なコミュニケーションが可能になります。
・いつ管理職に昇格しても予算や採算について十分に理解することができます。
お客様の声
毎月の売上実績を報告しているが、売上を管理する中で「売上総利益」、「仕掛」、「粗利」等の意味が理解できるようになった。仕事画を進める上で役に立つ知識が身に付いたと思う。今後の会社の取り組みを知るには財務において何にお⾦を投資しているのかを把握することで理解できることがわかった。
エンジニアとしてコストと性能のトレードオフ関係を考える際に役に立つと思った。仕事では企画部から渡された目標価格になるように開発を進めるが、コストと性能の関係についてはエンジニアの方が熟知しているので、会計の視点から価格の変化量が許容範囲内かどうかを考察することができると思う。仕様変更の議論を円滑に進める際に役立つ。
講師からのメッセージ
SHIGEMI HIRANO平野 茂実
この研修は、東京都立大学で理系の大学院向けに講義した「会計学特論」が元になっています。「会計学特論」は2006年から2022年まで続き、毎年13回行う半期講義が行われました。その授業を通じて試行錯誤を続けながら作り上げたものです。またその間、大学だけではなく様々な企業や自治体でも研修を実施し、確実に決算書が読める社員を増やしてきました。
決算書は企業の成績表であり健康診断書でもあります。「決算書を読む力」はすべてのビジネスパーソンが身に付けるべきスキルであると確信しています。
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