テレワークで腰痛が急増中!5つの簡単ストレッチとすぐにできる予防対策

テレワークで腰痛が急増中!5つの簡単ストレッチとすぐにできる予防対策



在宅勤務で腰痛を訴える人が増えている

「テレワークになってから、社内で腰痛や肩こりを訴える人が目立つ。」と感じている方も多いのではないでしょうか。
オムロンヘルスケア株式会社が20代から50代の在宅勤務者1000人に行ったアンケートによると、テレワークで不調を感じている人は約3割。
その内訳のトップ3は、肩こり、精神的なストレス、腰痛という結果でした。
その中でも腰痛は、ひとたび重症化すると仕事や生活に多大な影響をもたらし、本人もとてもつらい思いをします。
人事や健康増進ご担当者が、在宅勤務者の腰痛予防のために、どのような支援をしたらいいのか、という視点で、産業カウンセラー・骨盤調整体操インストラクターの視点から在宅勤務で腰痛が起きる原因とその対策法をご紹介します。


在宅勤務で腰痛になる原因とは

実は、腰痛の約8割は検査をしても脊椎などに異常がなく、原因が特定できないと言われてきました。
ところが近年、痛みは脊椎などの筋骨格の不具合だけでなく、ストレスや不安などの心理的な要因が重なって起きることが分かってきました。
特に3か月以上続く慢性的な腰痛の場合は、心理的な不調が原因であることが考えられます。
しかし、「在宅勤務が始まってから腰痛になった。」という場合は、まずは体の使い方に問題がないかを疑ってみましょう。
この記事では、身体的な側面から腰痛の原因についてお伝えします。

ダイニングテーブルでのPC作業姿勢

床座りで作業する

オフィスで仕事をする場合でも、PC作業は肩こりや腰痛の要因ですが、在宅勤務ではダイニングテーブルや床座りで作業する方が多く作業環境が整っていないため、より腰痛のリスクが高まります。
一般的にダイニングテーブルはデスクよりも高さが低く、PC作業の際にかなり目線が下がってしまいます。
頭の重さは4~6kg。
それが15度傾くと12kg、30度傾くと18kg、45度で22kgもの負荷になります。
この重い頭を首や腰で支えなければならず、頭が前に倒れるほど首や腰に大きな負担がかかります。

また、目線が下がると、必然的に骨盤が後ろに倒れて腰を丸めた状態になります。
このような姿勢をとると、脊椎を支える筋肉の活動が低下します。
すると脊椎を制御する力がうまく働かなくなり、脊椎が必要以上に動き、ずれを生じます。
この状態が毎日続くと、脊椎のずれが蓄積し、腰痛を引き起こします。

骨盤を動かさない生活で腰に負担が

骨盤を動かさない生活で腰に負担が

在宅勤務では通勤もなく、家での移動も数十歩とほとんど歩かない生活になります。
すると、骨盤や股関節を動かす機会が圧倒的に減ります。
このような状態が続くと、仙腸関節という骨盤にある関節の動きが悪くなります。
仙腸関節はクッションのように働いて、座ったり歩いたりするときに衝撃を吸収し、動きを伝えています。
しかし、骨盤を動かさない生活をしていると、そのクッションがうまく働かなくなり、日常の動きで起きる体への衝撃をダイレクトに腰椎で受け止めることになります。
当然ながら、腰に大きく負担がかかります。

座り続ける時間の増加で骨盤と腰椎に負荷

立位では、骨盤、股関節、膝、足首と下肢全体で体の重みを支えますが、座位では骨盤と腰椎のみに負荷がかかります。
腰の健康を考えれば、30分以上座り続けるべきではありません。

 
ところが、オフィスで仕事をしていても、30分はあっという間、気が付いたら1~2時間座りっぱなし、ということは珍しくありません。
それでもオフィスにいれば、誰かに呼ばれたり、質問や報告をしに行ったりと、立ち上がる機会はあるでしょう。
しかし、テレワークでは、そのような外からの干渉が減り、報告や質問も全てオンラインで完結できます。
仕事が捗るという良い面もありますが、身体の健康から見るとマイナスです。
 
先述した、骨盤を動かさない生活(ほとんど歩かない生活)や悪姿勢が加わり、さらに精神的なストレスもあれば、腰痛になる要因がいくつも重なることになります。

腰痛を予防する5つの簡単ストレッチ&エクササイズ

では、在宅勤務で腰痛を防ぐにはどうしたらよいのでしょうか?
まずは、身体を動かすことで、PC作業姿勢や運動不足、座りすぎで生じた腰のダメージを和らげ、腰痛を予防しましょう。
自宅でできる5つの簡単なエクササイズ&ストレッチをご紹介します。
1~4のストレッチやエクササイズは1~2分でできますので、仕事の合間やミーティングの冒頭などで実践してみましょう。
ただし今、腰に強い痛みを感じている方は、医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。

腰の疲労リセット体幹ストレッチ

腰の疲労リセット体幹ストレッチ

仕事をしていると、ついつい背中が丸まってしまう方や、腰に軽い痛み、違和感がある方におすすめです。
腰のずれを蓄積させないよう、こまめにリセットしましょう。(*1)
 
① 足を腰幅にして立ちます。
 
② 骨盤に両手をあてます。骨盤を後ろから押すようにし、吐きながら上体を後ろに倒します。
鼠径部、下腹部のあたりが伸びているのを感じましょう。
一息3秒ほど維持し、ゆっくりと戻します。
2~3回繰り返します。
できたら、吐くときにお腹をへこませるようにしましょう。
ストレッチ

③ 両手をあげ手のひらを合わせます。
吐きながら、右に倒します。
吸いながら中央に戻ります。
慣れたら、左脚に体重をかけ、より左体側を伸ばすようにしましょう。
 
④ 左側も同じように行います。
吐きながら、左に身体を倒し、右脚に体重をかけ、右体側を伸ばします。
やりにくかった方を再度行いましょう。

骨盤まわりのストレッチ

骨盤まわりのストレッチ

座りすぎで筋力の活動が低下しがちな腰、骨盤、股関節まわりをストレッチ。
 
① 両足を前後に開きます。
前の膝が、曲げた時に90度になるくらいが目安です。
 
② 両手を骨盤にあて、親指で後ろから骨盤をぐっと押しておきます。
 
③ 吐きながら前に出した膝を90度くらいまで曲げます。
後ろの脚はなるべく伸ばします。
骨盤は立てた状態でストレッチしましょう。
後ろに伸ばしている脚側の鼠径部、下腹部のあたりが伸びているのを感じましょう。
一息3~5秒ほどキープ。吸いながら戻します。
 
④ 反対側も同じように行います。

骨盤を動かすパワー足踏み

骨盤を動かすパワー足踏み

ウォーキングに行けない時、自宅でできる下肢の運動です。
簡単ですが、座り続けた体にとっては、骨盤へのよい刺激になります。
しっかり行えば、お腹や脚の筋力アップも期待できます。
 
① 立って足踏みをします。
膝は腿~脚の付け根の高さまであげるのが理想ですが、腰が丸まったり、軸足の膝が曲がったり、腰に痛みを感じたりするようなら、膝の高さは下げましょう。
 
② ドンドンと音がしないように、ソフトに足を着地させましょう。
軸足で床を踏みしめ体を支えます。このようにコントロールしながら行うと自然と体幹部の筋肉を使うので、軽い体幹トレーニングにもなります。
仕事の合間に1~2分行いましょう。
また、テレビを見ながら15~20分ほど足踏みをすると、かなりよい運動になります。

寝るだけでリセット!ゆらゆら体操

寝るだけでリセット!ゆらゆら体操

自宅だからこそできる骨格のクセをリセットする体操です。
ベッドや布団でなく、床の上で行うのがポイントです。
床という基盤を使って、頸椎、腰椎のずれを本来の状態に戻します。
 
① 床の上に仰向けになります。
ヨガマットなどクッション性の低いものであれば何か敷いてもかまいません。
 
② 骨盤を左右にゆらゆらと揺らします。
魚が泳いでいるような動きです。
5~10秒ほど。気持ち良いと感じれば、長くやってもかまいません。

ウォーキングは最高の腰痛予防

ウォーキングは最高の腰痛予防

ウォーキングをすると、腰から骨盤、脚にかけて筋肉がバランスよく働きます。
さらに良い姿勢を保って歩くことで、腰痛予防に欠かせない背骨を支える筋肉が活性します。
良い姿勢を保つコツは、前を見て歩くことです。
座っているときは骨盤の角度で姿勢が決まりますが、立っているときは目線の角度で姿勢が決まります。
前を見て、やや大股で歩きましょう。
少し早歩きをすれば、運動効果も高まります。
また、ウォーキングはストレス軽減効果もあり、心理的なことが要因となっている腰痛に対してもよい影響があります。
まさにウォーキングは最高の腰痛予防なのです。

習慣化するには、朝、昼休み、夕食前後など、歩く時間を決めることがポイントです。
また、買い物など用事を足すときは歩いていくなど、日常の中になるべく歩く機会を作るようにしましょう。

1日20~30分の歩行が理想ではありますが、負担に感じる場合は、「5分でもいいから外の空気を吸いに行く。」ことを心がけましょう。

腰痛を防ぐ作業環境の整え方

腰痛を防ぐ作業環境の整え方在宅でもなるべく理想的なPC作業姿勢に近づけるようにしましょう。(イラスト参照)
無料でできるものと多少の予算があればできるものをご紹介します。

クッション等を用いて作業姿勢改善

クッション等を用いて作業姿勢を改善
良い姿勢か悪い姿勢かは骨盤の角度で決まります。
骨盤が後ろに倒れることで、腰が丸まり、頭が前に倒れます。
逆に骨盤を立てた状態(やや前傾)になると、胸郭、頭が自然に骨盤の延長線上にのり、楽によい姿勢を保つことができます。
この姿勢を作る簡単な方法が、クッションをお尻の下に敷くことです。
バスタオルやブランケットなどを折りたたんでもよいでしょう。
これだけで、骨盤をやや前傾に保つことができます。この姿勢を維持すると、脊椎を支える筋肉がしっかり働き、腰痛を防ぎます。
さらに持続させること自体が体幹を強くし、腰痛を起こしにくい体をつくります。
ただし、胸を張ったり、背中をそらせたりする姿勢とは違いますので注意が必要です。

予算があるなら、何から揃える?

今後もテレワークを持続させてスタンダードにする、という職場ならば、そのための予算もあるかもしれません。
その場合、何から揃えればよいのでしょうか?
 
【腰痛予防】優先順位1位 PC台とキーボード
PCワークが肩こりと腰痛の元凶になるのは、目線が下がり、頭が前に倒れることだとお伝えしました。
ですから、まずは目線をあげることが第一優先です。
ノートPCで作業する場合は、PCスタンドを使用するようにしましょう。
キーボードの位置もあがってしまいますので、必然的に別途キーボードも必要です。
これはオフィス勤務でも推奨したい、腰痛・肩こり予防PC周辺アイテムです。
 
【腰痛予防】優先順位2位 昇降式の椅子
ダイニングテーブルで作業する場合でも、昇降式の椅子があれば理想的な作業姿勢に近づけられます。
 
【腰痛予防】優先順位3位 スタンディングデスク
場所の問題もあり、なかなか導入しづらいかもしれませんが、デスク購入を検討している従業員に対してはスタンディングデスクを推奨しましょう。
どうしても運動不足になりがちな家での仕事。
立って作業をする時間を作ることで、座り続ける時間を減らし、腰痛リスクを下げるとともに、筋力低下も防ぎます。
立ったり、座ったりすることでリフレッシュにもなります。

テレワーク中は、意識して運動機会を作る工夫を

テレワーク中は、意識して運動機会を作る工夫を

腰痛を防ぐには、こまめに立ち上がることが大切です。
しかしリモートワークでは、ほぼ全ての作業がPCで完結するので、オフィスワーク以上に画面に釘付けになります。
なるべく自然に運動する機会を増やす為にはどうしたらよいのでしょうか。

ミーティングの冒頭に運動をする

オンラインミーティングの冒頭1分間を使って一緒に体を動かしてみてはいかがでしょうか。
前述の1分でできる簡単な腰痛予防ストレッチ&エクササイズをぜひ参考にしてください。
その中の「パワー足踏み」は簡単なリードでできるのでおすすめです。
1分でも結構運動になりますし、緊張もほぐれてミーティングの雰囲気もよくなるのではないでしょうか。
 
自分でリードをするのはちょっと負担だ、という方は、外部のフィットネストレーナーやインストラクターに委託して1分動画集を作る方法もあります。
すでに健康増進の取り組みをされている企業でしたら、提案しやすいでしょう。
 
一方、会社で全く健康についての取り組みをしていない場合は、なかなか会社全体で実行することは難しいかもしれません。
周りを巻き込むにはトップが旗振りをする健康増進計画が必要ですが、まずはこれを読んでいるあなたが主催するミーティングで提案してみてはいかがでしょうか。
小さく始めてみましょう。

ウォーキングミーティングをする

ミーティングの内容によりますが、歩きながら話すことも検討してみましょう。
オンラインでは、カメラをオフにして、音声だけでやり取りをします。
少人数でのアイディアだしや状況確認などのコミュニケーション目的であれば、歩きながらの方がよい成果が生まれるかもしれません。

トイレに立つ度に1分ストレッチ

PC作業で座り続けていると言っても、トイレには立ちます。
その機会を見逃さず、トイレから帰ってきたら、1分運動をすることを推奨しましょう。
その他にもお茶を取りに行った後、ランチを片付けた後など、「立ち上がったついでにちょっと体を動かす」ことを習慣にすることが、途切れなくデスクワークをしがちな在宅勤務には必要です。
たったこれくらいで?と思う小さな積み重ねが大きな違いを生みます。

ウォーキングの推奨

前項でもご紹介した通り、腰痛予防のために最もおすすめしたい運動は歩くことです。
腰痛予防だけでなく、ウォーキングには多くの健康効果があります。
テレワーク主体の働き方に変えていくのであれば、ウォーキングを意識的に行うことは必須と言えるでしょう。

健康経営を掲げている職場であれば、ウォーキングはすでに推奨されているかもしれませんが、個人の選択に任せるだけではなく、会社の方針として啓蒙活動を随時行っていくことが大切です。

まとめ:腰痛を防ぎ、快適な新しいワーク&ライフスタイルへ

在宅勤務でリスクが高まる腰痛を防ぐために、隙間時間にできるストレッチ、作業環境の整え方、運動機会をつくる工夫、をご紹介しました。
ぜひ、ご参考にしていただければと思います。
健康は、基本的には働く人がそれぞれに選択、行動して維持するべきものですが、会社としてメッセージを発信することで、「ちょっとやってみようかな。」という小さな生活習慣改善アクションを起こすことに繋がります。
毎日の小さな健康習慣が心身を作り、健康な心身がよい仕事を生みます。
健康的に働き、充実した職業人生を送る人が増えていくことを願っています。

【参考】
*1これだけ腰痛体操
東京大学医学部付属病院 松平浩特任教授
https://lbp4u.com/youtu/

【参考文献】
体幹と骨盤の評価と運動療法
監修 鈴木俊明 (運動と医学の出版社)

このコーナーでは、専門家によるコラムをお届けしています。

講師からのメッセージ

NORIKO TSUTAGAWA傳川 紀子

                           

産業カウンセラー・骨盤調整体操インストラクター

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